Rise of Skywalkerって言われると、え?今までRiseしてなかったの?レイアとか頑張ってたじゃん?って気持ちになるよね

スターウォーズ スカイウォーカーの夜明け』ネタバレ雑感。

 

・最初のピョンピョンとハイパードライブ繰り返すシーンは良かった

 

パルパティーンが死んだのか死んでないのかよく分からない(本人曰く「私は既に死んでいる」けど肉体あるし)。クローンだって言うなら見た目がアレになってるのもおかしい。そもそも肉体的に死んでいようといまいとアナキンの最期の決断は何だったのかって話になる。

 

・惑星パサーナ。「宇宙には色んな人たちがいるんだ…!」と言わんばかりにネットリと映していくわりに、如何にもアラブ感というかイスラム感というか、想像力が乏しくないか?なんかガキどもが紙芝居みたいなの見て笑ってるシーンもクローズアップとか笑い声とか「子供たちの笑顔を守らなきゃ…!」という平坦なメッセージのわざとらしさだけが際立って腹立つ。あとその笑顔も実際にはそんな表情にゃならんだろ、ディズニーのアニメじゃねーんだからって感じ(まぁディズニーなんだけど…)ともかく、エキゾチックな雰囲気の星に行って、その住人を庇護すべきものとして描いちゃうところが、ディズニーの伝統もといオリエンタリズム感じてイヤになりました。

 

・チューバッカ殺すくだり。いや、そうはならんやろ…。

 

・秘密の暗号が短剣に刻まれた古代言語っていうアナログ感。結局アナログが一番信頼できるっていう寓話?

 

C-3POが初期化しちゃうくだり。R2-D2に入ってたバックアップで無事復活ってどうなの。あのC-3POにはあのC-3POのゴーストが宿っているわけで、単純に記憶を植え付ければ(最近の記憶がないだけの)同じ人になるわけではないだろうが…。作り手がキャラクターに何度も「ドロイドを侮ってはあきまへんえ」みたいなセリフ言わせてるくせに、お前らが一番ドロイド舐めとるやろって話だよね。そこ中途半端にやるくらいだったら削って尺短くしろ。(JJはちゃんと攻殻機動隊S.A.C 2nd GIGを見て勉強しろ)

 

・エンドアの月。なんか短剣からニュッと出てきたパーツがウェイファインダーの在処を示すらしいけど、あんなに波強かったら侵食で地形変わっちゃうよね。そもそも夜明けの海が穏やかなタイミングで渡ろうって話だったのに、レイもフィンも普通に小さい船で渡っちゃうし。

 

・D-O、練馬をレペゼンしてるラッパーみたいな名前のくせにマーチャンダイジング然としたキュートなロボット。コイツがエクセゴルのヒントを握ってる、とフィンが発見したのに、結局「(ウェイファインダーを入手した)レイの後を追っていけばいいんだ!」って。ならその前の展開全部無駄だし、D-Oの存在意義もないじゃん。

 

パルパティーン、最初は「レイを殺せ」って言ってたのに、次は「レイよ、私を殺してお前がシスの皇帝になれ」つって、それを拒否されたら「レイとレンのフォース奪ってワシが復活するのだ!」っていう一連の流れがマジで謎。レイ、パルパティーンを殺すことを拒否したのに、最後は結局フォースライトニング跳ね返して殺してるのも、それでいいのか感。(じゃあどうやってパルパティーンを処理すればよかったのって話になるけど、そこはやっぱりフォースで生命力を与えて傷を治せるっていうのが伏線だと思うんですよ。つまり黄金体験─ゴールド・エクスペリエンス─だよ!逆にフォースを与えまくって生命力の過剰供給からの暴走とかそういうオチのつけ方の方が理にかなってるだろ。JJはちゃんとジョジョの奇妙な冒険を読んで勉強しろ)

 

・レイとレンは一対のフォースの持ち主っていうなら、それを活かした結末にして欲しかった。まぁそれは8でやっちゃったっていうのもあるんだろうけど。パルパティーンを倒すのにも、最後はレイの独力で、使う武器もルークとレイアのライトセーバーって、流石にレイとレンの絆を描いてきた今までのストーリーはなんだったのかという。あとから駆けつけてきたレンがレイにフォースを与えて生き返らせてから死ぬって話をやりたかっただけだろ。

 

・そもそも今作は唐突なメロドラマが多すぎる。ポーしかり。フィンしかり。レイとレンがキスをするところしかり。それ必要か?特に最後。特別な絆で結ばれてるって話でいいじゃん。

 

・フィン周りのメロドラマ要素、1番錯綜していて何がやりたいのか分からない。ローズとか露骨に出番減ってるし、ジャージャーから学ばねーな。

 

・古参ぶってエンドア上空で大破するスターデストロイヤーを眺めるイウォークの画面は面白い。面白いだけ。

 

・タトゥイーンで双子の太陽をバックにしたシーン、重なる太陽とBB-8を並べるギャグ(ギャグだよね?)が流石にセンスを疑う

 

・BB-8、もともとポー・ダメロンのドロイドなのにレイに懐いてる感じがちょっとポー可哀想

 

・ラストでレイがパルパティーン姓を名乗らなかったやつ、それはしゃーないかなって思うんだけど、だからってスカイウォーカー姓を名乗るの、どうなの。スカイウォーカーの意志は受け継がれていくって話なんだろうけど。これまで「血」というしがらみや、それとどう向き合うかをテーマにしてきたシークェルだけに、スカイウォーカー姓を名乗っちゃうなら結局これって「イエ」制度の物語ではあることに変わらないし、じゃあやっぱり旧いシステムからの解放は遂げられてないじゃん、という気持ち。

 

・全編通して1番つらかったのはレイとフィン、ポー、あるいは仲間たちとの協力が全く描かれなかったこと。砂の惑星パサーナにしろ、チューイを救出するために潜入したキジミ上空のスターデストロイヤーにしろ、エンドアの月にしろ、せっかく3人でいるのに、レイが勝手に単独行動を取って、そのせいで周りの生命を危険に晒したり余計なトラブルを生んだりの繰り返し。最終決戦もレイは1人でパルパティーンを倒しちゃうし、さして縁があるわけでもないタトゥイーンでも1人で黄昏ちゃう。ストーリーを通してレイがそんな自分を省みたり、仲間の大切さを実感するようなシーンがない。7ではそれなりに演出されていたクルー感もゼロで、ただひたすらに強いレイが独走してるだけ。フォースの使い方の前に学ぶべきことがあるんじゃないか?レイのストーリーの裏で「共和国やレジスタンスが力を合わせて強大な帝国に立ち向かうんだ」という戦いをやっているだけに、余計にその虚しさが際立つ。